認知行動療法とは? What's CBT?

認知行動療法とは、患者と治療者がチームを組んで(A)、問題や困りごとからが続いてしまう仕組みと、そこから抜け出す道筋を明らかにします(B)。そのうえで「物は考えよう」「案ずるより産むが易し」といった思考と行動のリフォーム(C)を、面接室で、そして生活場面で、継続的に取り組んでいきます(D)。設定された時間数(例えば1時間×15回)を終えることには、問題や困りごとから抜け出すだけでなく、自分が自分の治療者になることを目指す治療法です(E)。より詳しくは:

A. 患者と治療者だけでなく、患者の家族や友人、主治医などをメンバーとしたチームを結成します。チーム内に上下関係はなく、チームメイトどうしで助け合う関係を目指します。
B. 病気がなぜ生じたのか、当面その原因探しは後回しにして、どうして問題が続いてしまうのか、困りごとから抜け出せないのかを明らかにします。そして、問題から抜け出すための地図を描き、「こうなりたい」「こう変わりたい」という目標にたどりつくための道筋を明らかにします。これは専門的に「ケースフォーミュレーション」と呼ばれています。
C. 認知行動療法では「性格をがらっと変えてしまう」とか「歪んだ思考を正す」ことを目指すわけではありません。その人が持つ資質を生かしながら、新しい物の見方を探したり、今までとは違う行動を試すことで、その人の人間観や世界観を柔軟にしていきます。これらは全て、困りごとから抜け出し、「こうなりたい」という目標に近づくことを目的に行なわれます。
D. 治療は病院やクリニックの面接室だけではなく、その人の生活となる場でも継続していきます。このため、面接室で学んだことを、自宅や外出先で実践するためのホームワークを設定します。
E. 設定された時間数を終えて、治療者がチームから離れることになっても、患者やその他の人は認知行動療法を続けていきます。患者が自分の問題をメンテナンスできるようになり、さらなる目標に向かって歩いていけるようになることが期待されます。 当院では初回アセスメント1回+治療セッション15回(あるいはそれ以下)の認知行動療法を行います。

当院は千葉大学医学部精神科・千葉大学認知行動生理学教室・千葉大学子どものこころの発達研究センターと共同で、認知行動療法の普及に努めています。

お知らせ

"はじめてのCBT"を御利用ください。

デイケア内のプログラムとして認知行動療法のグループプログラム"はじめての CBT"を実施しています。

認知行動療法は、抑うつや不安の治療として注目を集めています。しかし、日本では実施できるセラピストが不足しており、認知行動療法を受けたいという多くの要望は必ずしも満たされていません。 そこで当院では、皆さんと一緒に認知行動療法を学び、生活に役立てていきたいと思っています。スタッフが、認知行動療法を分かりやすく噛み砕いて、参加者の皆さんにお届けします。

1クール全8回、グループで行う認知行動療法です。 楽しみながら認知行動療法の基礎を学ぶ、入門プログラムです。 皆さんにも、課題をやったり、話し合いをしたり、積極的な参加が求められます。 参加の際には、筆記用具をご持参ください。

興味関心のある方、継続して学んでみたい方はぜひ「はじめてのCBT」へご参加下さい。毎週火曜日に行います。

参加ご希望の方は、まず主治医に御相談ください。

皆で一緒に認知行動療法を学び、認知行動療法を生活に役立てていきましょう。 お待ちしております。